春を呼ぶ男たちの祭り

20数年過ごしてきた稲沢市内の国府宮神社では1300年近く続くといわれるはだか祭が行われます。

祭りの日は旧暦で決められるため年によって異なり、いつもはすごく寒い日が多いのですが、今年は日中穏やかな天気でした。

確定申告のさなかで少し気が引けるのですが、毎年参加している私としては今年もはやる気持ちを抑えられず、午後からお休みをいただき以前住んでいた家の近くの氏神様へ。

さらしは自分で巻けないので、村の長老の皆様にお願いします。20mほどのさらしをぐいぐい巻いてはだか男の完成です。

氏神様に参拝した後、国府宮神社をめざしていざ出発。

ここからは危険を伴うためしばらく写真はありません。

みんなの願いをこめた布を巻き込んだ笹を担いで街を駆け回り、ときどき道端のお店から差し入れられるお酒もいただき、いよいよ参道に。

尾張のいろんな地域からはだか男が集まってきます。順番をまって一気に神社に駆け込み、笹を奉納して最初の厄除けです。

その後、すべてのはだか男が笹を奉納するまでひたすら待ち続けます。

日が陰ってくると、さすがに寒くてじっと立っていられなくなってきます。

待つこと1時間余、クライマックスに向けて準備が進み、はだか男に水をかける桶隊といわれるメンバーの動きはあわただしく。

しばらくすると、遠くの方で水しぶきが上がり始めます。神社に向かって進もうとする神男と、厄をおとすために触れようと群がるはだか男のもみ合い、かけられた水は熱気で一瞬に水蒸気と変わる、祭りは最高潮。

それでも最後は全員が神男を境内に送るため「上げろ、上げろ」の大合唱。無事神男が引き上げられて、男たちの祭りはフィナーレを迎えるのです。

帰るころにはあたりはすっかり闇につつまれ、男たちはそれぞれの想いを胸に家路を急ぎます。明日からの家族や仲間の幸せを願って。