第4回 税理士試験対策

令和2年度(第70回)税理士試験まで、残り40日余りとなりました。

皆さん、勉強の進み具合はいかがでしょうか?今回は、勉強時間が確保出来なくて、今年の試験は既に諦めモードの方に、私がやった5月スタート勉強法を少しお伝えしたいと思います。

私は5科目目の相続税法だけで、8回受験しました。つまり、7回連続で落ち続けて、8回目でやっと合格出来たのです。でも相続税法は試験科目としては一番得意で、全国模試では毎年「合格確実」の判定でした。

落ちる度に、こんな苦しい勉強はもう終わりにしたいから、今年は絶対に合格したいとの気持ちが強くなり過ぎ、試験で過度の緊張をしてミスをし、また落ちるの悪循環の繰り返しでした。

ついに心がへし折れて、「残り1科目だけど、もう無理だから諦めよう」と「決心」し、8年間全く勉強もせず、税理士関係の仕事にも一切ついていなかった期間がありました。

「諦める決心をした」と書きましたが、20代~30代前半の大事な時間を全て税理士試験の勉強の為に使ってきた私にとっては、とても辛い決断で、諦める事にも大変なエネルギーが必要でした。私は「諦める決心」をしましたが、結局どうしても相続税法のテキストなど勉強道具一式を捨てることが出来ずに、8年間段ボールに閉まった状態で部屋の片隅に置いたままになっていました。

あることがきっかけで「もう一度頑張ろう」と決心したのですが、その時私は既に40代でした。20代から30代前半にあんなに頑張って勉強したにも関わらず落ち続けた試験を、40代でもう一度頑張って勉強したからといって、合格できる確率はかなり低いであろうと思い、「また時間とお金の無駄になるのでは」との強い不安がありました。

そこで私は、皆が勉強し始める前の5月から勉強をスタートし、16カ月掛けて勉強をして、翌年8月の税理士試験を受けてみようと考えました。

ここで問題になるのが、税法改正です。どんなに早くから勉強し始めても、途中で税法が改正され試験直前に理論をたくさん覚え直すことになるなら、全く意味がありません。そこでまずネットで、翌年8月の税理士試験までに、相続税法の改正がどの程度あるかを調べました。改正が少ないと分かったので、これはチャンスの年だと思い、すぐに専門学校で、その年8月の受験向けの「理論テキスト」を購入し、その日から理論の暗記を始めました。

この時に、自分でルールを決めました。それは、5月から8月までの4カ月間に、理論テキスト丸々1冊が完全に暗記出来なければ、9月からの税理士試験講座は申し込まないということでした。

理論暗記だけに勉強時間を4ヶ月使っても、もし暗記が出来ないのであれば、それはもう税理士試験講座を申し込んでも合格出来ないので、やっぱり諦めるしかないと思ったからです。理論テキストだけなら2,000円位だし、勉強に費やす時間も4ヵ月位なら、もし駄目でも自分にとって大きなロスにはならないと思えて、もう一度税理士試験に挑戦することへのハードルがかなり下がりました。

でも実際に暗記をし始めてみると、思いのほか順調に暗記が出来ました。まだ記憶力がそれほど落ちていないことが分かり、とても嬉しかったです。ほぼ1カ月で一通り暗記が出来たので、残り3ヵ月はクルクルと理論を回し、問題文で問われた個所を条文のどこからでも書き出せる状態にまで仕上げました。

9月からはweb講座を申し込んで勉強しましたが、理論は通勤電車の中とお風呂の中で暗唱すると決めて、毎日の勉強時間はweb講座を視聴して計算問題を解くだけに使いました。

計算は、どんな小問題でも必ずタイムを計って、常に本試験を意識して出来るだけ速く解けるように練習をしました。また、土日のどちらかには理論もタイムを計って書き、理論を速く書く練習もしました。

このやり方が私には合っていたようで、8年間のブランクがありましたが、その年に5科目目の相続税法に合格することが出来ました。

税理士試験は、何年間も必死で勉強してやっと合格できるかどうかの、とても大変な試験です。心身ともに健康でないと、とても耐えられません。自分に適した気分転換を見つけるのも、長い受験期間を耐え抜くにはとても重要だと思います。心がへし折れたら、私のようにお休み期間を設けるのもいいと思います。へし折れた心も、何年か経つと意外にも自然治癒します!!健康よりも大事なものはありません。まだ頑張れるか、もう無理かは、自分にしか分かりませんので、自分で自分をしっかりと見つめて、コントロールし、本試験で力が発揮できるように頑張って下さい!!