自社株活用

 先週の新聞で一番目についたのは「強い企業へ自社株活用」です。
企業の自社株を買取る動きが盛んなようです。上場企業が内部に保有する自社株は何と15兆(前年比1.5倍)だそうです。
そんなに買取って一体何をするのでしょうか。
まず金庫株が増えれば1株当たりの価値が上がります。株主としては配当が増えてうれしいですよね。(配当政策)
また自社株は組織再編のための株式交換にも使えます。つまり現金を使わず自社株で会社を買収(M&A)するということです。
 それでは中小企業にとっての活用法はどうでしょうか。
配当政策は特段無いと思います。(優先株とかありますが・・。)
M&Aに熱心な企業は現在のところは年商50億位からでしょうか。
自社株の買取り目的は何といっても相続・事業承継対策でしょうね。
もともと相続時には株式の譲渡制限がありませんので事業を承継しない相続人に分散する可能性大なのです。
そこで「相続人の売渡請求」を定款でうたっておきます。
そして自社株買い(自己株式の取得)によって遺族に相続税の納税原資をなる代金を渡すことになります。
遺族は要件満たせば、みなし配当課税とはされず20%課税で完結します。
会社は後継者が見つかるまで金庫株としておきます。後継者が見つかったら買取ってもらいます。
話がややこしくなってしまいましたね。
 会社規模や形態を問わずこのような資本取引がもっと身近に軽やかに使えるようになるといいな、と思います。
また来年度から病院再編のための「非営利法人ホールディングカンパニー(仮称)」が新設されるようです。
 このように様々な機動的資本政策を講ずることが出来るようになってきました。
そもそもこの持ち株会社の解禁は1997年のことでした。以降、株式交換、株式移転、自己株式取得の解禁、会社法の制定・・というようにグローバル化する経済に対応すべく、組織の再編、効率的な事業パートフォリオの構築など、企業価値を高めるための方法は多岐に渡っております。
今後は万全な税制支援も望まれるところですね。
~資産税コンサルチーム~